4)6,10-ナイロン


準備物:
セバシン酸ジクロリド(塩化セバコイル) ヘキサン

ヘキサメチレンジアミン 水酸化ナトリウム

手 順:@ ヘキサン50mLをビーカーにとり、セバシン酸ジクロリドを1.5L

加える。

A 水酸化ナトリウム1.0gを水50Lに溶かし、ヘキサメチレンジアミン

1.5Lを加える。

B @をAに、ガラス棒を伝わらせながら、ゆっくりと入れる。

C 2つの溶液の境界面にできた6,10-ナイロンをピンセットで引き上げる。

 

仕組み:鎖状の2価カルボン酸の塩化物であるセバシン酸ジクロリドClOC(CH2)8COClを、鎖状のジアミンであるヘキサメチレンジアミンH2N(CH2)6NH2にゆっくりと加えると、二液の境界面で脱塩化水素(HCl)縮合が起こり、これらの単量体がアミド結合で直鎖状につながった6,10-ナイロン(下図)が生成する。このとき、水に水酸化ナトリウム(NaOH)を溶かしたのは、発生する塩化水素を中和し、平衡を移動させて反応を促進するためである。なお、名称に付いている6,10とは、最小繰り返し単位に含まれる炭素の数を示している。つまり、最初の6はジアミン成分(ここではヘキサメチレンジアミン)の炭素数(6)を、後の102価カルボン酸(ここではセバシン酸ジクロリド)の炭素数(10)を意味している。



ClOC(CH2)8COCl + n H2N(CH2)6NH2 
      
→  [OC(CH2)8CONH(CH2)6NH ] + 2nHCl


<実験風景>
 


↑巻き巻きしている様子


 
 


↑2層に分かれている様子。上層が水よりも密度の小さいヘキサン層



 


↑水泡は針で潰しましょう